寄生虫で自閉症が治る?寄生虫療法の本『寄生虫なき病』
- 作者: モイセズベラスケス=マノフ,Moises Velasquez‐Manoff,赤根洋子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/03/17
- メディア: 単行本
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確か読んだきっかけはこのendBooksさんのツイートを見て「スシ・ファクター!?海藻にスシ関係ないやんけ!」とびっくりしたからだったと思う。
”ヤツネンコとゴードンは、日本人の腸内フローラが海藻を消化する独特の能力を持っていることを発見した。『ネイチャー』誌はこれを「スシ・ファクター 寿司因子」と呼んだ。”
— 科学に佇む一行読書心 (@endBooks) 2016年3月19日
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🍣『寄生虫なき病』モイセズ・ベラスケス=マノフ
基本的には章ごとに「こんな病気があります、みんな困ってます→調査したらこんな法則性が!→寄生虫の有無 or 腸内細菌の有無 or 遺伝子が要因でした」のパターンが繰り返される。
現代は清潔すぎて人間に備わってる免疫力が暴走してるのかも、腸内を昔に倣っていい感じにしたらいろんな病気が治せるんじゃないの?という話です。
個人的にオッと思った章が以下の2つ。
寄生虫で自閉症が治る?
取り上げられていた、ある自閉症の子供のエピソードがこんな感じ。
あと発熱したときにも自閉症の症状が治まるとかなんとか。
自閉症はアレルギーや自己免疫疾患とひとくくりにすることができるのではないだろうか。まったく異なるものに見えるこれら三つの傾向――自己を攻撃する傾向(自己免疫疾患)、他者のタンパク質を闇雲に攻撃する傾向(アレルギー)、自分の胎児を攻撃する傾向(自閉症)――だが、その根底にあるのは、不適切な炎症を鎮める能力の欠如という同一の問題なのではないだろうか。
うつ病まで免疫系が原因?
心臓疾患やガン、肥満って、治療法が確立してなくて気が滅入るからうつを併発しがちだと思われてるけど、実はそれらの病気の根底にある免疫系の炎症が直接的に気分の落ち込みを引き起こしてるのでは?とのこと。
気分を明るくする自然な方法の中で最も効果的なものの一つである運動は、セロトニンの分泌を増加させると同時に、さまざまな抗炎症性の免疫反応を引き起こす。
元気になるにはやっぱ運動か~~~運動いやだな~~運動マジでしたくないな~~~~。
グッと来たパンチライン
寄生虫で自閉症が寛解した子供の担当教諭の一言。私もADHD処世術を身につけてこうなりたい。
「彼は今でも自閉症かと聞かれれば、答えはイエスです。ふつうの子どもと違うかと聞かれれば、答えはイエスです。でも、希望はあります。大事なのは、その子にあった正しい対処法を見つけることなんです」
謝辞にて。母カルメンさんへのこれ、ADHDの人に対する最大級の慰めだ……!
我が祖父リチャード・マノフには、規律と意志力の模範となってくれたことに対して。我が祖母ホアキーナ・ペレスには、その思いやりとユーモアに。今は亡き母カルメンには、その抑えられないいたずら好き、妥協を知らない善良さ、ふつうとは違うものへのこだわりに対して。
これから読む人へ
読み切ったけど私は途中で飽きて大変だったので、
という順で読み進めるのがおすすめ。この順で行くと「著者が寄生虫飲んでみたレポート→この本のまとめ(15章)→関心事」という感じで面白くてわかりやすいかと。